適応障害ってどんな病気? Ⅱ

適応障害はストレス疾患のひとつに位置付けられているものだけど、数ある心の病気のなかでは軽症に属するよ。心の病気としては珍しく、短期間で、しかもきちんと回復するものだ。

サキ>えっ、そうなの?

トバモリー>精神科や心療内科のお医者さんの中には「俺の技術の見せ所だ!」と手腕を発揮できるアルコール依存症や統合失調症に比べると治療に難しくない。三重県立こころの医療センターの精神科医原田雅典先生はこう言っている。

適応障害だと考えそう診断すると、どこか張り合いのない気持ちが湧いてくる。(略)
張り合いがないのは、その苦労の解決が治療終結だという点にある。これでは精神科医の腕の見せ場はないではないか。生活上のストレスが解決されるのを待っているというだけなら、さほどの技術はいらない。せいぜい現在の状態を改善し、二次的、三次的にネガティブな反応を引き起こさないような工夫、助言をすればよい。

(原田雅典 「適応き障害を診るとき」 『こころの科学』 日本評論社 2004年3月号)



サキ>すごいこと言うドクターだね。でも雅子さまは10年も患っているよ。どうして?

トバモリー>適応障害と診断されても、5年後には40%以上の人がうつ病などの診断名に変更されている。つまり、適応障害は実はその後の重篤な病気の前段階の可能性もあるといえる病気だ。ストレスが慢性的に存在する場合は症状も慢性に経過するよ。

サキ>うつ病との違いは何?

トバモリー>うつ病は、環境を変えても常に症状に変化がない。ずっと、悪いままだよ。
でも、適応障害の場合はストレスのない場面だと症状はでない。場所が変わると元気が出たりすることもあるよ。
適応障害

うつ病

ただ、精神科や心療内科の患者は全般的に「心の栄養」が足りない人たちだ。

サキ>心の栄養?

トバモリー>真面目すぎて、頑張りすぎる人は「こんなことでは自分ではダメじゃないか」という思いを手放すことができず、常に完璧を目指そうとする。頑張りつづける理由は「がんばらないと認められない。愛してもらえない」という不安感だよ。安心という心の栄養がない。ダイアナ妃がかかった言われる拒食症なんかはその傾向が強いね。「このままの自分じゃダメ」と思っているから十分に痩せているのに、ダイエットを続けてしまう。「こんな自分でもいいのだ」と思っている人はならない。

サキ>そうなんだ。

トバモリー>環境や状況に適応できない「不適応」も、調和的な関係が築けないという面で大きな問題があるけど、反対に適応し過ぎた状態の「過剰適応」も調和のバランスを崩してしまう意味から問題だよ。

サキ>適応のし過ぎ?

トバモリー>「過剰適応」とは、環境に無批判的に同調してしまうことだよ。従順に意を唱えることもなく、どこまでも「いい人」で居続ける。自分の本当の姿をどこかに置き去りにして、誰かのための自分を演じてしまうわけだ。本来の自分ではなく、偽りの社会的自己で周囲の人との関係を保とうとする。ストレスは計り知れない。次第に苦痛になり、過剰に適応していたことから、不適応をおこすようになる。

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